財政再建 financial reconstruction 2005 9 19
最近、多くの人が、日本の財政について、不安感を持つようになりました。
財務省が、それを煽っているような感じもあります。
私も、何度か、「財政危機」や「財政再建」を書いてきました。
しかし、日本が人口増加社会ならば、私は、財政再建を言わなかったでしょう。
人口減少社会になるからこそ、増税も財政再建も書いてきたのです。
問題の本質をよく知るべきです。
財政再建とは、短期的には、「増税」と「支出の削減」でしょうが、
長期的には、少子化対策です。
少子化とは、納税者の減少を意味します。
そういうわけで、少子化対策は、財務省の担当にしてもいいくらいです。
もちろん、少子化とは、消費者の減少も意味しますので、
企業にとっては他人事ではなく、少子化対策は、「企業の仕事」でもあります。
人口ピラミッドがひっくり返る時 2005 6 11
低迷する個人消費、低迷する株価、低迷する地価。
こうしたものは、バブル経済の崩壊が原因で、傷口さえ治れば、
(つまり、過剰な設備、過剰な債務、過剰な雇用が改善されれば)、
日本経済も、元に戻ると考えていませんか。
しかし、三つの過剰と言われた「設備、債務、雇用」が改善しても、
日本経済は、さえない状態が続いています。
バブル経済の崩壊という「外傷」に目を奪われていますが、
もっと根本的な問題が潜んでいませんか。
それは、「人口ピラミッドがひっくり返る時」です。
日本経済も、日本の社会制度も、人口構造がピラミッド型であることを前提として、
成り立っているはずです。
そのピラミッドが、ひっくり返る時、どうなるか。
この本は、日本の将来を、少し悲観的に考えていると思います。
しかし、たとえ人口が減少しても、
一人一人の教育水準や知的水準が上がれば、人口減少分を補えると思います。
そういうわけで、娯楽やファッション、グルメに夢中になっている場合ではありません。
書名 「人口ピラミッドがひっくり返るとき 高齢化社会の経済新ルール」
著者 ポール・ウォーレス
翻訳 高橋健次
出版社 相思社